先日の震災で避難所で過ごしておられる方はもちろん、自宅で過ごしていても地震の記憶が蘇ってきたり、余震の恐怖におびえたり、震災に遭った身内や友人が心配になったりと、落ち着かない日々を送っている人が多いことと思います。変わらぬ日常生活が送れている人でも、連日衝撃的な光景をニュースで見聞きしていると、気付かないうちにストレスが溜まっているものです。
そのような時に、心を落ち着けてストレスを少しでも軽減させるには、瞑想が役に立ちます。瞑想は決して難しいことではありません。静かに座って呼吸に意識を向けるだけでいいのです。
お尻を床につけて楽な姿勢で座り、背筋を伸ばして、伏せ目がちに鼻の先あたりを見ます。そして、手や肩の力を抜いて、ゆっくりと深く呼吸します。これだけでOKです。時間は好きなだけでいいですが、慣れないうちは回数を決めて呼吸を数えたり、タイマーをセットしたり、お香を焚いてそれが終わるまで、などとしてもいいです。
瞑想ビギナーにオススメなのが、iPhoneの坐禅アプリ『undo(雲堂)』です。超党派の仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」がプロデュースしたもので、お坊さんが監修しています。
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坐禅のタイマー機能がメインですが、坐禅時間の設定ができるだけでなく、坐禅に入る前に体勢や呼吸を整えるガイドも聞けます。坐禅がスタートする時は、お鈴や鐘の音が鳴ります。この音を聞くだけで、自分の周りの空気が変わるのが分かります。坐禅にもすんなり入れますし、停電や避難所で過ごしている間は特に、心落ち着く瞬間になるのではないでしょうか。
また、このアプリはTwitterとも連動しており、設定すれば坐禅の開始・終了ツイートができるので、自分が坐禅中であることを知らせることもできますし、アプリを使っている世界中の坐禅仲間とつながることも可能です。undo(雲堂)は、iPhone用の無料アプリで、日本語と英語に対応しています(ダウンロードはこちら)。
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ただ、人間というのは静かに座っているとすぐに、あれこれと違うことを考えてしまうもの。このような緊急事態の最中ですから、当然すぐに不安や心配事が頭に浮かんでくることでしょう。瞑想をしている時に、頭が何か違うことを考え始めたら、自分の呼吸を実況中継するように観察してみてください。「鼻から息が吸い込まれて肺が大きく膨らんで、その息がまた鼻から吐き出されて...」といったように、呼吸の流れを観察していると、他のことが考えられなくなり、自然に瞑想ができます。
座って瞑想をする時間や環境が無いという人は、深呼吸するだけでも違います。深呼吸する時は、鼻から大きく息を吸って口から大きく吐きます。息を鼻から吐くのではなく、口から吐くことで、全身がよりリラックスします。
極度の緊張やストレスにさらされていると、息を深く吸い込むことすら難しいことがあります。そういった時は、息を無理に吸おうとするのではなく、まずは息を吐き切ってください。これ以上吐き切れないというところまで吐いたら、あとは自然と息が入ってきます。それを何度か繰り返すと、段々と深く息が吸い込めるようになります。
自分は震災に遭っていないから、病気や怪我もしていないからと、ストレスやネガティブな感情を押さえ込んで我慢しないでください。瞑想や呼吸で少しでも気が楽になれば、またがんばろうと前向きな気持ちになります。自然とそういう気持ちになるまでは、無理せずに体と心を休めてください。
(的野裕子)
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